積水ハウスのアフターメンテナンス|今後30年/60年間の点検項目と費用
こんにちは!
ジルわこ(@gillwacohouse)です
打ち合わせが進んである程度プランが固まってくると、積水ハウスでは「メンテナンスプログラム」に関する資料を貰えます
これは家を建てた後のアフターメンテナンスの計画をまとめたもので、いつ・どんな点検を実施して、費用がいくら掛かるのか?という内容が書かれています
積水ハウスではどのようなメンテナンスが計画されていて、実際どの程度費用を準備しておけば良いのか、今回の記事では紹介していきたいと思います
アフターメンテナンスと関わりの強い、「積水ハウスの住宅保証制度」と「長期優良住宅制度」についても触れていますので、ぜひご覧ください
なお今回からジルわこの「わこちゃん」に登場してもらっています
よろしくお願いしますにゃ
ジルわこがそろったにゃ
積水ハウスのメンテナンスプログラム資料
打ち合わせで貰えるメンテナンスプログラムの資料は以下の表形式のものになります
定期点検のスケジュール・項目および修繕費用が一覧になっていて、これを見れば大体の内容は把握できます
プランによって詳細な内容は変わってくるので、最終的には着工前の状態で見直すことになると思いますが、アフターメンテナンスの内容や費用もハウスメーカー選びのポイントとなるため、契約前の段階で一度作成してもらうのが良いと思います
延床面積と外壁の種類が変わらなければ、内容はそこまで大きく変わらないはずです
メンテナンススケジュール
最初は引渡から3ヶ月、1年、2年、5年と細かく点検が計画されています
その後は5年ピッチで定期点検となり、10年ごとにがっつり点検が入るという感じです
また上記の資料には書かれてはいないですが、「1か月点検」というのもあって、水漏れが無いかのチェックや住んでみて問題が無いかのヒアリングなどが行われます
住んでみて初めて分かる不具合なんかもあるので、特に最初はこまめに点検して小さなトラブルを早めに解決しておくことで、後々大きな傷になることを防ぐ目的かと思います
傷は浅いうちに対処するにゃ
なお積水ハウスでは30年目までの定期点検は、「長期優良住宅申請時の維持保全計画に従い実施する点検」となっています
そのため、この定期点検を実施しないと長期優良住宅認定が取り消される可能性もありますので、点検はしっかり受けるようにしましょう(点検費用は無料なのでご安心ください)
※積水ハウスの注文住宅は基本的に全棟長期優良住宅認定を取得する方針
主な点検項目
メインの点検項目は以下のような「住宅の耐久性に関わる部分」です
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
- 給水設備・排水設備関係
これらは「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」で定められている点検項目でもあり、この部分の健全性を定期的に確認することで、長期優良住宅認定が継続されるということになります
それぞれの項目について具体的な点検ポイントを挙げてみましょう
点検箇所:基礎、構造(柱や梁)
点検ポイント:ひび割れ、傾き、たわみ、腐食、シロアリ被害などがないか
点検箇所:屋根、外壁、開口部(玄関、窓・サッシ、換気フード)、バルコニー
点検ポイント:ひび割れ、変形、水漏れなどがないか
点検箇所:給水管、排水管
点検ポイント:変形、詰まり、水漏れなどがないか
他には大きな自然災害(地震や台風など)が発生した時に、臨時で被災箇所の点検が行われます
メンテナンス費用
最初の30年間の点検の費用は無料ですが、点検の結果必要と判断された修繕は基本的に有料となります
※積水ハウスの保証期間・保証範囲内であれば修繕も無償となります
ただ、メンテナンスプログラム上は費用の発生する修繕は30年目に集中しており、それまでは費用の発生する修繕は無いと言ってもいいくらいです
積水ハウスとしては、普通の住み方をしていれば修繕が必要になることはまず無いと想定しているということかなと思います
期待しすぎかにゃ?
我が家のアフターメンテナンスで計画されている修繕費用について紹介します
点検内容は大抵の家で共通すると思いますが、修繕内容や費用は家の構造やサイズ、使用している建材などで結構変わると思うので参考と思って見て下さい
なおメンテナンス費用に大きく関わりそうな家のスペックは以下のような感じです
構造:木造総2階(シャーウッド)
延床面積:30坪
基礎面積:15坪
外壁:サイディング+吹付
屋根:スレート
バルコニー:なし
防蟻処理
床下の防蟻処理のための薬剤散布が、10年ごとに計画されています
この費用が「13万円(税込14.3万円)」です
これは基礎の面積に比例するので、大体「1坪あたり1万円」になります
なお、防蟻処理するかどうかは任意なので、やらないという選択も可能です
足場設置
外壁や屋根に関する作業が発生する場合、足場設置および飛散防止ネットの設置が必要になります
計画では15年目と30年目に予定されていて、費用は「28万円(30.8万円)」となっています
これも施工範囲によりますが、高さが上がるほど足場を組むのが大変(危険度も増す)なので、平屋より2階建て、2階建てより3階建てのほうが、費用は割高になると思います
屋根や外壁の目視点検だけであれば、今はドローンなんかを使用しているみたいなので、足場設置費用は掛かりません(そう考えると15年目の足場費用はもしかしたら掛からないかもしれません)
給排水管洗浄
20年目に給排水管の洗浄が計画されていて、費用は「6万円(6.6万円)」となります
30年目の一斉修繕
前述のように30年目に一気に修繕が計画されていて、各項目と費用をリストにまとめました
軒樋・縦樋交換 12万円(税込13.2万円)
玄関庇補修 3万円(税込3.3万円)
外壁塗装 115万円(税込み126.5万円)
軒天・基礎塗装 33万円(税込36.3万円)
目地打ち替え 57万円(税込62.7万円)
開口部補修 27万円(税込29.7万円)
防蟻処理 13万円(税込14.3万円)
足場設置 28万円(税込30.8万円)
これらの総額は「288万円(税込316.8万円)」となります
特に金額の大きいのが外壁塗装ですが、吹付は上から重ね塗りするみたいで、ひび割れや汚れの状態によっては無しでも良いくらいとも聞きました
メーカー想定の耐久年数が30年なので、30年後の状態を見て判断したいと思います
ちなみに玄関庇の軒天や基礎なんかも吹付塗装しているので、そこの部分の再塗装費用も入っています
目地打ち替え費用も結構な金額が掛かっていますが、吹付外壁のため表に出ている目地がないので、もしかしたらなくせるかもしれません
外壁でベルバーンを選択していると、外壁のメンテナンスは30年に一度の目地の打ち替えのみになるので、100万円以上メンテナンス費用が抑えられることになるのかなと思います
30年間のメンテナンス費用総額
以上の発生費用を全て合計すると、30年間でのメンテナンス費用の合計は…
「348万円(税込382.8万円)」
修繕用に毎月1万円を貯めておくと、30年間で360万円になるので、ちょうど足りるような足りないような…くらいの費用の感覚です
ただこの金額は、今後のメンテナンス費用を保証する訳ではなく、将来的に変化する可能性が高いです
打ち合わせの時に受けた説明だと、「発生する費用を最大で見積もってこのくらいかな」という言い方でした
30年目以降のメンテナンス(ユートラスシステム)
これまで紹介したのは30年目までのメンテナンスプログラムですが、資料は60年目までの計画を記載したものも貰うことができます
点検内容などは特に変わりませんが、「点検費用が有償になる」というところが30年目までとの大きな違いです
※長期優良住宅維持のためのメンテナンス計画は30年目で終了するので、それ以降の点検は任意となります
積水ハウスでは「ユートラスシステム」という保証制度を設定しており、有償の点検を受けることで、「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」に関する保証の延長を受けることができます
(延長を受けるかどうかも含めて、施主の判断に任せられます)
修繕に関して言うと、40年目にスレート屋根の補修があり、費用としては「106万円(税込116.6万円)」の想定です
30年目で大体修繕している場合、他に大きな金額の掛かる項目はなさそうです
なお、修繕に関しては積水ハウスで有償点検を受けている、いないに関わらず受けることができます
メンテナンスプログラム以外のアフターメンテナンス
メンテナンスプログラムで計画されているのは、主に構造面に関する部分です
実際住み始めると、住宅設備の不具合や内装の破損や傷・汚れなどが気になるケースの方が多いと思います
積水ハウスのアフターメンテナンスでは、もちろんこう言った部分にも対応しており、保証期間内であれば無償で対応していただけることも多いです
我が家は現在までに1か月点検、3か月点検を受けていますが、以下の項目については引き渡し後でも無償で対応してもらえました
有償での補修は今のところ発生していません
- 階段の凹み補修
- 造作家具の寸法調整
- トイレの壁紙補修
- 浴室のパッキン補修
- 吹付外壁の削れ補修(計画中)
傷や汚れなど、引き渡し後は責任の所在が分からなくなるため、必ず無償で対応となる訳ではありませんが、積水ハウス側が工事中に付いたものと判断できるものであれば、無償で対応頂ける可能性は高いです
ただ、生活開始後に家の中で作業することになるので、極力引き渡し前に気付いて補修してもらうに越したことはないですね
引き渡し後に気付いた点でも、相談できるということを知っておいていただければ良いかと思います
住宅設備や内装、外構にも保証期間がありますが、それを過ぎたものは基本的に有償でのメンテナンスや補修が必要になるため、その分の費用が掛かることも忘れないようにしておかないとですね
どれだけ費用が掛かるかは、どこまで費用を掛けるか次第なところもあるので、私自身も把握できていませんが、ライフプランを都度見直しながら、その時の資産状況に応じて判断するつもりでいます
積水ハウスの住宅保証内容
保証に関する内容は細かく書くともの凄く膨大になるので、アフターメンテナンスと関わりのある部分を抜粋して紹介したいと思います
主要な長期保証部分
「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」については長期間の30年保証となっています
「構造耐力上主要な部分」の保証対象は、基礎、柱、梁、耐力壁、床、屋根などのひび割れや変形、欠損の著しいものになります
この辺の構造体は経年変化で多少のひび割れや変形は起こるものなので、構造上支障がないものや想定外の使用方法や荷重が原因のものは適用対象外となります
「雨水の浸入を防止する部分」の保証対象は、簡単に言うと雨漏りです
暴風雨などによる建具からの一時的な雨水の侵入や想定外の使用方法や荷重が原因のものは適用対象外となります
なので基本的に保証対象となるのは「部材の初期不良や施工不良などが原因の場合」だと考えていれば良いかと思います
なお無条件で30年保証となる訳ではなく、10年目、20年目に無償点検を受け、必要に応じて補修を実施することが条件となります
メンテナンスプログラムの項目で紹介した「ユートラスシステム」を適用すれば、30年目以降も有償点検を受けることでこの保証期間が延長されていきます
その他部分
内装や設備関係、外構など、その他の部分は2年保証になっているものが多いです
もちろん保証範囲外となる事項もありますが、生活していてこれって不具合かな?という事象が出てきたら、なるべく2年点検までに伝えるのが吉と思います
保証範囲なら無償で修理、交換してもらえるかもしれません
積水ハウスでの長期優良住宅制度申請
メンテナンスプログラムの紹介で何度か出てきていますが、住宅性能に関する認定制度で「長期優良住宅」というものがあります
長期に渡り良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅であることを証明する国の制度ですが、幾つかの項目で一定基準を満たす住宅で認定を受けることができます
長期優良住宅認定制度の概要について[新築版] (hyoukakyoukai.or.jp)
長期優良住宅のメリット
長期優良住宅の認定を受けると、住宅ローン減税や固定資産税などの税金関係の優遇措置や、地震保険料の割引きを受けることができます
ただ優遇措置を受けられる期間が決まっていて、毎年期間が更新されたりしているので、最新の状況は担当者に確認するのが確実です
2022年度版の優遇内容(戸建て新築の場合)をまとめると以下となります
①住宅ローン減税:限度額の引き上げ
控除対象限度額 3000万円⇒5000万円
(控除率0.7%、控除期間最大13年間、最大控除額455万円)
②登録免許税:税率の引き下げ
保存登記 0.15%⇒0.1%
移転登記 0.3%⇒0.2%
③不動産取得税:課税標準からの控除額の増額
控除額 1,200万円⇒1,300万円
④固定資産税:減額措置(1/2減額)適用期間の延長
減額期間 3年間⇒5年間
⑤地震保険料の割引き
(割引率) 耐震等級2:30%
(割引率) 耐震等級3:50%
土地や建物の金額が高いほど、減税・割引の効果が大きいです
あとは長期優良住宅を取得していると、売却時に付加価値になるというメリットもあるようです
一方で、減税措置の中でも特に金額への影響が大きいのが住宅ローン減税ですが、借入金額や年収によっては、全く優遇にならない場合もあるので要注意です
申請費用のほうが高く付いたなどということにならないように、要確認です
長期優良住宅の申請と費用
認定は基準を満たしていれば自動的に下りるわけではなく申請が必要になります
一応個人で申請も可能みたいですが、いずれにせよメーカー側に出してもらわないといけない図面や書類も沢山あるようなので、余程詳しい人でないと難しいと思われます
積水ハウスで代行して申請してもらう場合の費用は以下の通りでした
- 長期優良住宅申請費用 4万円
- 住宅性能評価申請費用 10万円
積水ハウスでは何か特別な事情がない限りは基本的に長期優良住宅の申請は出しているようです
なお住宅性能評価とは、長期優良住宅の基準に適合しているかを第三者機関に判定してもらうためのものです
これは完成した家に対して何か評価するわけではなく、着工前に書類や図面にて確認するものになります
長期優良住宅の維持保全計画書
長期優良住宅を取得する場合、申請時に「維持保全計画書」というものを作成します
その計画に従って定期的な点検を実施し、必要に応じて調査・修繕・改良を行い、その結果を保管しておくことが義務となります
定期点検の間隔は10年以内、30年以上の維持保全期間が必要となります
つまり最低3回は点検を実施し、必要に応じて修繕などが必要になります
これを施主向けにしたものが、冒頭で紹介した積水ハウスのメンテナンスプログラムの内容となる訳です
おわりに
以上が、積水ハウスでのアフターメンテナンスの内容となります
初期費用でいくら掛かるかももちろん大事ですが、メンテナンス費用まで含めたトータルコストを把握しておくことも重要だと思いますので、ハウスメーカー選びの際の参考にしてみて下さい