猫と暮らす家の杉無垢フローリング|入居半年後の実態と簡易補修方法

こんにちは!
ジルわこ(@gillwacohouse)です
我が家では床材のほぼ全てに杉の無垢フローリングを採用しています
(トイレと小屋裏だけ違います^^;)
しかもコーティングやオイル塗装などは何もしていない、無塗装の状態です
フローリングの表面に膜が張られていないため、手ざわりや木の香り、調湿効果など、杉無垢材のパフォーマンスを最大限に発揮できます
サラサラした杉無垢の質感を、家中どこにいても感じながら毎日を過ごせるだけでも、個人的には大満足です
一方で、杉は柔らかくキズやへこみができやすい木材です
さらに無塗装であるということは、キズや汚れに対して無防備な状態とも言えます
また、我が家には2匹の猫がいるため、キズや汚れは普通の家より確実に付きやすいです
(それでも、猫も満足そうです^^)
この記事では、猫と暮らして半年が経過した杉無垢フローリングのキズや汚れの実態や、その簡易補修の方法や効果について紹介します
ペットと暮らしている無垢床の実態は中々見られないと思いますので、床材選びの参考になれば幸いです
- 杉無垢フローリングのキズや汚れの実態
- 杉無垢フローリングの簡易補修方法と効果
杉無垢フローリングのキズ・汚れ
まずは入居から約半年経過した、フローリングのキズや汚れの実態について紹介します
結論から言うと、キズも汚れも結構なレベルで付きます
ただ、猫に限らず室内飼いのペットがいれば、キズや汚れは必ず付くものなので、どこまでそれを許容できるかということだと思います
猫を飼っている、買う予定があって、注文住宅を検討されている方は、床材選びの参考にしてみて下さい
参考までに猫のスペックです
- 名前:ジルヴァ
- 種別:アメリカンショートヘアー
- 年齢:6歳
- 性別:オス
- 体重:5.5kg
- 吐き癖:なし
- 爪とぎ:麻ひも
名前:わこ
種別:和猫
年齢:3歳
性別:メス
体重:4kg
吐き癖:毛玉
爪とぎ:段ボール
杉無垢のキズの実態報告
猫の爪によるひっかきキズが主な要因になっています
幸いうちの猫たちは床で爪とぎをすることが無いので、キズはまだ浅い方だと思います
写真で実例を紹介していきます
(縮小しすぎると分からなくなるため、写真が大きくて見づらいかもしれませんが、ご了承ください)
まずこんな感じの細かいひっかきキズですが、これは家中いたるところにできます
ただ、これくらいのキズは床にしゃがみ込むくらいに近づいてようやく分かるレベルです
このように少し引いて見るとどこがキズなのかよくわからないレベルです
木目や節が強いのと、無垢床なので表面が削れても同じ色合いが続いている効果で、多少のキズは目立たなくなります
続いて少し高低差がある場所の床です
先ほどより少し深く爪が食い込んだようなキズが目立ちます
猫がジャンプするなどして力が入る場所は、深い爪あとが残りやすいです
それでも少し引いて見ると、そこまで目立たないレベルだと思います
続いて階段の踏板です
ここが我が家の中で一番目立つキズが付いている場所になります
階段のある家が初めてなので、まだ上り下りに慣れていないというのと、移動の頻度が高いというのが、特にキズが付いている原因かと思っています
また階段の踏板には節のない無垢材を使用しているため、表面の模様のクセが節ありと比べて薄いというのも、キズを目立ちやすくしていると思います
ここは多少遠目に見てもキズがあるのが分かりますね
まだ住み始めて半年程度ですが、個人的に特に気になるキズは階段周りくらいですね
後は大抵最初の2例と同じようなキズですが、正直猫がいなかったとしても、小さい子供がいたらすぐに付いてしまうようなキズのレベルだと思います
杉無垢の汚れの実態報告
無塗装状態の無垢床は、水をこぼしただけでもしばらく放置していればシミになったり、酸性やアルカリ性の液体と反応して変色(酸汚染やアルカリ汚染と呼ばれます)したりと、とても繊細な床材です
これは杉に限った話ではないですが、密度が小さくて中の隙間が多い杉のような木材は、特にその影響を受けやすいと思います
猫は特に体調が悪くなくても、時々吐く生き物です
猫は毛繕いをしますが、その毛は消化できないため、毛玉として吐く場合があります
吐く、吐かないは個体差がありますが、我が家の場合だとわこちゃんが時々吐きます
自分だけでなくジルの毛繕いもしてあげることがあるので、それで毛が胃に溜まりすぎたときに吐いているんだと思います
ちなみに毛玉もなく吐くときは何かしら体調が悪くなっている可能性があるので、ちょっとでも様子がおかしいと思ったら動物病院へGOです
吐いたときにすぐに気付いて掃除してやれば、ほとんど跡は残りません
しかし気付かず放置していると、以下のように分かりやすくシミになります
起きているときは、猫が吐くときの独特な音ですぐに気付けるのですが、寝ている間に吐いていたりすると見落とす可能性があります
杉無垢フローリングの簡易補修
先に紹介したような無垢床のキズや汚れですが、一度付いてしまったら手遅れという訳ではなく、ある程度は補修やメンテナンスで改善することができます
今回は一般家庭にあるものでできる簡易的な補修で、どこまで改善できるかトライしてみたので、その方法と効果について紹介したいと思います
杉無垢のキズの簡易補修
まずはキズの簡易補修からです
※ここで紹介する方法は、無垢床の変形、変色を引き起こす可能性がありますので、各自判断のうえ実施下さい
必要な準備物はこれだけです
- ティッシュペーパー
- ふきん(雑巾やウェスなど、布製のものなら何でもOK)
- アイロン
簡易補修の手順は以下の通りです
手順① 丸めたティッシュを水で濡らし、床のキズやへこみに乗せる
手順② ①の状態で半日(4~5時間)放置する
手順③ キズやへこみ部分に濡らしたふきんを当て、上からアイロンを30~60秒かける
※アイロンを使用する際は必ず濡れたふきんの上からあてること(床材が焦げ付く恐れがあります)
ちなみにこの方法は、カリモクのショールームで店員のナイスミドルに教えていただいた方法です
コーティングをかけていない無垢床全般に使用できる方法ですが、杉のような柔らかい木材に特に有効です
作業の過程を写真付きで紹介します
今回はキズの程度の異なる3種類について、どの程度効果があるのか検証してみました
ケース① 表面のへこみ(椅子や机の足でのへこみなど)
ケース② ひっかきキズ(猫の爪あと、引きずった跡など)
ケース③ 表面のえぐれ(固いものを落とした跡など)
水で濡らしたティッシュを置いた状態がこちらです
お灸みたいなイメージですね
このまま半日程度放置した後の状態がこちら
(時間帯が変わったため写真の色合いが変化しておりますがご容赦ください)
ケース① 見た目にはへこみがあったのが分からないですが、触るとでこぼこがあるのが分かるレベルです
ケース② 深い爪あとは残ってますが、周りの細かい爪あとは見えなくなっています
ケース③ 殆ど変わりなくえぐれが残っています
次にそれぞれのキズ跡に濡れたふきんを乗せて、30秒~1分程度アイロンをかけました
アイロンをかけ終わった状態がこちらです
ケース① 見事にへこみが消えました
ケース② 深めの爪あとが若干残っていますが、細かい爪あとはかなり消えています
ケース③ 最初の状態とほとんど変わっていないように見えます
- 軽いへこみであれば綺麗に消える
- ひっかきキズは軽微なものは綺麗に消える
- 深い爪あとやえぐれたようなへこみは残る
へこみや軽いひっかきキズはある程度もとに戻せるけど、き裂が入ったようなものは戻しきれないという結果でした
木の繊維が繋がっていれば水を含ませると再生するけど、繊維が切れてしまっていると完全に元に戻すのは難しいようです
追加検証として「細かいキズなら濡れふきんとアイロンだけでも戻るかな?」と思ってやってみました
写真だと分かりにくいですが、ティッシュお灸でしっかり水を吸わせる工程を省いても、細かいキズは消すことができました
ですが爪あとはまだ残っており、キズ部分にしっかり水を吸わせる工程が大事だと思われます
おそらくこの程度のキズであれば、濡れたふきんを30分とかかけておいて水を吸わせるのでも十分なんじゃないかなと思います
こちらは階段の踏板に対してアイロンのみで試した結果ですが、こちらの方が変化が分かりやすいですかね
細かいキズはアイロンだけでも比較的消えています
ここからさらに、表面をやすり掛けして、オイルで拭くという作業を実施すると、仕上がりがもっときれいになると思いますが、簡易補修のため今回は省略しています
そのうち床の一斉メンテナンスを実施する際にはそこまでトライしたいと思います
その時はえぐれた部分も木くずパテで埋めるという作業も実施したいです
杉無垢の汚れの簡易メンテナンス
続いて杉無垢の汚れ(猫の吐き後)のメンテナンス方法について紹介します
必要な準備物は以下の通りです
- レモン汁(または酢)
- セスキ炭酸ソーダ(または重曹)
- 綿棒
簡易メンテナンスの手順は以下の通りです
手順① セスキ炭酸ソーダを染み込ませた綿棒で汚れ跡をこすり、ティッシュでふき取る
手順② レモン汁を染み込ませた綿棒で汚れ跡をこすり、ティッシュでふき取る
手順③ 汚れ跡を水拭きする
嘔吐物は基本的に酸性なので、まずアルカリ性の液体で汚れ部分を拭きます
次にアルカリ性を中和するため、酸性の液体で汚れ部分を拭きます
最後によく水拭きして、床表面をなるべく中性に近い状態にします
これが吐き後のメンテナンスの基本的な考え方です
写真付きでメンテナンスによる汚れの状態の変化を示していきます
こちらが今回使用したメンテナンス用のアイテムです
酸性の液体として「レモン汁(クエン酸)」、アルカリ性の液体として「セスキ炭酸ソーダ」を準備しました
酸性の液体としては「お酢(酢酸)」、アルカリ性の液体としては「重曹水」などでもOKです
また、これらを使用する際は直接汚れに吹きかけるのではなく、綿棒などで汚れの部分だけを拭くようにした方が良いです
綺麗だったところまで、無垢床が変色してしまう可能性があります
特に杉にアルカリ性の液体をかけると黒く変色して、もっとひどいことになります…
こちらがメンテナンス開始前の状態
吐しゃ物があるのにしばらく気が付かなくて、しっかりシミになっています
これがセスキ炭酸ソーダで拭いた後になります
若干シミが薄まっているのと、右下あたりが少し黒ずんでいるのが分かるでしょうか
これがアルカリ汚染の影響で、スプレーでシュッとするとこの黒ずみが全体に広がります
これがクエン酸で拭いた後になります
先ほどできていた黒ずみが消えているのが分かると思います
こちらが最後に水拭きした状態です
この汚れは表面だけでなく木の奥まで染み込んでいるため、もっと綺麗に仕上げようと思うと更に時間をかける必要があります
数分程度のメンテナンスでもこの程度まではシミ跡を軽減することができました
シミ跡についても、この後やすり掛けをしてオイルで拭けば、シミはさらに目立たなくなると思います
それもいずれは実施して報告したいと思います
キズや汚れを防ぐためには?
ここからは余談になりますが、無垢床は採用したいけど「キズや汚れをもうちょっと予防したい」「メンテナンスも手間をかけたくない」という猫飼いの方向けに、どうしたら良いか考えてみました
少なくとも杉無垢フローリング(無塗装)のままではこれ以上どうしようもないと思いますので、その他の方法で…
①オイル仕上げにする
床の表面に浸透性のオイルを塗って仕上げる方法です
表面の質感は保ったままで、木の内部に浸透したオイルがコーティングとなり、耐水性や防汚性が上がります
水回りで無垢床を使用する場合もある程度有効だと思います
ただ、完全な防水になる訳ではないので過信は禁物です
キズに対しては元の木材と変わらずで、調湿効果は無塗装と比べると落ちます
また最初はオイルのにおいが気になる…という方もいるかもしれません
(時間が経つとにおいも抜けてきますが、商品によっては「油!」という感じのにおいがするものもあります)
②ウレタンコーティングにする
これも床材のコーティングの一種ですが、表面を樹脂製の塗膜でコーティングしてしまう方法です
表面に塗膜があるので、キズや汚れから木材を守ってくれます
一方で、表面がコーティングされるので質感などは全くの別物になります
個人的にはこのコーティングをするなら無垢床である必要はないのでは?と思ってしまいます
③ハードウッド系の無垢床にする
ハードウッドは文字通り固い木材で、杉のような柔らかい木材と比べてキズが付きにくく、密度が大きいため耐水性も比較的高めになります
世界三大銘木とされる、ウォルナット、チーク、マホガニーを始めとし、オークやメープル、アッシュなどなど、種類も豊富です
杉とはまた違った質感ですが、耐久性を考えてこういった樹種を選択するものアリだと思います
キズ自体は付きにくいですが、キズが付いたときのメンテナンスは杉などと比べると大変になります
へこみ等は戻りにくいです(そもそもへこみにくいんですけど)
なお、猫は肉球が発達しているので、床が固い木材でも負担にはなりにくいようです(小型犬を飼われている方だと、床の硬さなども気になるポイントの一つだと思います)
いずれを選ぶにしても、一度実物を体感して、納得したうえで決めるのが重要ですね
おわりに
猫と暮らす家の杉無垢フローリングの実態と、補修方法について紹介しました
「意外といけるじゃん!」と思った方もいれば、「こんなにキズや汚れが付きやすいなら選べないな…」と思った方もいると思います
実際にペットと暮らしてみての実例は中々見られないと思いますので、床材選びの参考になれば嬉しいです