積水ハウスシャーウッドの基礎ってどんなの?

こんにちは!
ジルわこ(@gillwacohouse)です
家の工事がスタートしてから早くも100日が経過しました
あと1ヶ月もすれば外構含めて完成して引渡しとなります
そんな状況になってきたので
家の工事に関連した内容をいくつか記事にしていこうかなと思っています
今回は家づくりの中で1番初めに施工される「基礎」についてまとめてみます
基礎の種類と特徴
個人的な疑問
積水ハウスの基礎
などについて書いています
今回も?私自身の理解のためのパート長めですので
気になる項目のみ目次から飛んで読んで頂ければと思います
(前回の自己学習記録)

布基礎とベタ基礎
基礎の種類を表す言葉ですが「家の基礎」と言うとこの2つをよく耳にすると思います
言葉だけ見ても違いがピンとこないんですが
ググると情報がたくさん出てきました
実際はもう少し細かい分類があるみたいですが
代表的なものが「布基礎」と「ベタ基礎」になります
既にご存知の方はスキップしてください
ここから私の学習レポートがしばらく続いたので
先にタイトル回収しておきますと
積水ハウスでは「布基礎」を採用しています
鉄骨と木造の両方の商品がありますが
両方とも布基礎です
構造の違い
布基礎とベタ基礎の構造を簡単な図で表すと以下のようになります
(ある断面で切り取ったイメージ図になります)
「布基礎」は柱と壁とか家の構造部材に沿うように
逆T字型の鉄筋コンクリートを打設したもので
フーチングと呼ばれる基礎の土台の部分で
柱から伝わる家の荷重を直接支える構造となります
線で家の荷重を支えるようなイメージです
「ベタ基礎」は構造部材に沿う部分だけでなく
施工範囲全体に面状に打設したスラブと呼ばれる鉄筋コンクリート部分も含めて
基礎全体で家の荷重を支える構造となります
こちらは面で家の荷重を支えるようなイメージです
構造上の特徴としては
布基礎=線で支える構造
ベタ基礎=面で支える構造
と覚えておけばイメージしやすいのかなと思います
布基礎の特徴
布基礎は前述の通りフーチング部分に荷重が集中するため
部分的に掛かる力はベタ基礎より大きくなります
そのためベタ基礎以上に地盤の強さも求められます
フーチングがあるため部分的に掛かる大きな力に対して強い構造とも言えます
そのためか家の重量が重くなる鉄骨系のメーカーでは
布基礎を標準としているところが多いようです
布基礎が標準の主な鉄骨系メーカーとしては以下が挙げられます
積水ハウス(※木造も布基礎)
ヘーベルハウス
パナソニックホームズ
ダイワハウス(※木造はベタ基礎)
トヨタホーム
一方でセキスイハイムなんかは鉄骨系でもベタ基礎が標準となっていて
家が重い=布基礎という単純な話でもないようです
(むしろ高層ビルとかもっと重い建物はベタ基礎の場合が多いみたいです)
求められる強度とかコストのバランスで
一般住宅なら布基礎が有利と判断している鉄骨メーカーが多いということなのかな?とは思います
家の重量が集中する部分にのみ基礎を設けるので
コンクリートや鉄筋の量がベタ基礎に比べて少なくて済み
コストを抑えられるというのも特徴の一つです
また基礎のない部分については
土のまま剥き出してその上に直接床がある(床下に潜ると土)という場合もありますが
それだと地中の湿気が上がってきて床が腐食したり
湿気を好むシロアリの被害を受けやすくなったりという弱点になるので
土部分にもコンクリートを打設して湿気が上がってくるのを防ぐなどの対策が取られているようです
(最近の家では布基礎でも土の部分が剥き出しということはほぼないんじゃないかな?と想像します)
なので見た目的にはベタ基礎とそんなに変わらなくなります
ただし防湿・防蟻目的のコンクリート部分には鉄筋も入っておらず
ベタ基礎のスラブと比べて厚みもそれほど取らないので
家の荷重を受け持つような効果は持たせていないです
余談ですが私の実家は40~50年前に建てられた家で
床下は当然のように土の部分が剥き出しでしたが
湿気がこもりやすい部屋だと見事に床が腐っていて父親がDIYで床貼りしてました
シロアリ被害こそありませんでしたが
布基礎の場合は床下の地中からの湿気対策は必須だと感じました
布基礎の特徴をまとめると以下の通りです
・線で支える構造
・部分的に働く力に強い
・ある程度地盤の強さが必要
・防湿・防蟻対策が必要
・コストが抑えられる
・鉄骨系メーカーに多い
ベタ基礎の特徴
ベタ基礎は家の重量を面で支える構造のため
荷重が基礎全体に分散されて部分的に掛かる力は小さくなります
そのため多少地盤が弱い土地でも施工できる可能性があります
(もちろん弱すぎたら地盤改良が必要になりますが…)
基礎全体で荷重が分散されるため地震などの揺れに対しても有利なようです
また地中からの湿気に対しては面状に敷いた鉄筋コンクリートによって防がれ
コンクリートの厚みも基本的には布基礎より厚くなるので
防湿・防蟻効果は布基礎より高くなる傾向と考えられます
こうして書いてみるといいとこ尽くしな感じがしますね
以上のことから木造系メーカーでは
ベタ基礎を採用しているところが多いようです
特徴を見た感じ特に木造住宅と相性が良さそうな印象は受けました
一方で基礎全体に鉄筋コンクリートを打設するので
コストは布基礎に比べで高くなる傾向のようです
ベタ基礎の特徴をまとめると以下のような感じです
・面で支える構造
・荷重を基礎全体に分散できる
・多少緩い地盤でも施工可能
・防湿・防蟻性に優れている
・コストが高くなる
・木造系メーカーに多い
布基礎とベタ基礎はどっちがいいのか?
個人的にはコストを掛けられるなら
ベタ基礎にしておくのが無難かなという印象を持ちました
ただあくまで先に挙げたような傾向があるという話なので
この構造だからこう!みたいな極端な思考にならないように気を付けたいですね
例えば基礎の強度なんかは
コンクリートの厚みや鉄筋の量によって変わるので
構造の違いだけで判断できるものではありません
コスト面についても例えば布基礎なら地盤改良必要だけど
ベタ基礎ならしなくとも良いとなったら
トータルの費用で逆転する可能性もありますしね
きちんと地質調査を実施したうえで建物も含めた強度設計がされていて
必要と思う耐震等級を満足していれば
どちらの構造だったとしてもその違いを実感することはないんじゃないかなと思います
決して自分のとこが布基礎だから擁護している訳では…笑
基礎の違いによる荷重分布への影響
ここまで書いていて
重量的に厳しい鉄骨住宅こそベタ基礎のメーカーがもっとあっても良さそうなのに
鉄骨系メーカーに布基礎が多いのはなぜ?という疑問が残ってました
強度とコストのバランスと言われればそれまでですが
中身は良く知らないので調べようもなく
基礎の違いが強度に与える影響を勝手に推測して勝手に納得しました笑
素人の想像なので話半分でお願いします
そして誰か知ってる人がいたら教えてください
布基礎の場合は単純に柱からの荷重を全てフーチング部分で支えます
一方ベタ基礎の場合は柱からの荷重を基礎全体に分散して支えるように分布します
ベタ基礎みたいな荷重の分布になると
立ち上がり部の間のスラブ部分が上に凸のにたわむように変形します
実際の変形量がどんなレベルか分からないですが上の図は結構極端に書いているつもりです
実際はこんなに綺麗な力の分布にはならなくて
地盤の硬さとか基礎の強さとか建物の重量バランスとかの影響で分布が決まってきますが
細かい話はいったん置いておいてとりあえずたわみます
たわみがあること自体は特に問題ではないですが
たわみの量が大きくなってくるとコンクリートに亀裂が入りやすくなるなどの問題が出てきます
そして建物が重いほどスラブ部分がたわみやすくなるので
重量のある鉄骨住宅ほどきたわみが厳しくなります
たわみを減らそうとしたら
スラブ部分のコンクリートを厚くしたり鉄筋の量を増やしたりする必要があり
コストがかさんでいきます
そこで必要な強度を満足するための基礎仕様とコストを比べると
布基礎に軍配が上がるという鉄骨メーカーが多いんだろうなあ
と思って勝手に納得しました
また柱と柱の間の距離(立ち上がり部の間の距離)が伸びるほどたわみやすくもなるので
布基礎のほうが設計しやすいというのもあると思います
木造だと鉄骨ほど(基礎的には)厳しくはないので
ベタ基礎でもそんなに気にせず設計できて
ビルのような超重量物までいくと
ベタ基礎にしないともはや支えきれないというレベルになってくるのかなと想像します
と言うことで勝手に納得したので次に行きます
一体打ちと二回打ち
基礎に関してもう一つ気になるキーワードがこちらです
(もう少しお付き合いください)
これは基礎の施工方法に関するものですが
基礎を施工する際は型枠を設置してそこにコンクリートを流し込むことになります
このとき基礎の底部(布基礎ならフーチング、ベタ基礎ならスラブ)と立ち上がり部をまとめて施工しようと
コンクリートがしっかり流し込まれない部分が出てきてしまう可能性があるので
基礎底部と立ち上がり部を分けて施工する場合があります
1回で立ち上がり部まで一緒に施工してしまう方法を「一体打ち」
底部と立ち上がり部で2回に分けて施工する方法を「2回打ち」と呼びます
一体打ちは底部と立ち上がり部のコンクリートが一体となっているので
強度的に強くひびが入ったりというリスクも小さくできます
ただ前述のようにうまく施工しないとそもそもコンクリートが流れていない部分が出てきてしまう恐れがあるので
対応できる会社できない会社が出てきます
コンクリートが固まるときに表面に不純物が集まってくる性質があるようで
底部のコンクリートがある程度固まってから立ち上がり部を施工する2回打ちでは
底部と立ち上がり部の間に不純物が挟まった状態となりやすく
こそが強度的に弱く亀裂などが入りやすくなるというリスクがあります
ただこれも表面の不純物をのこしたまま施工したらという話で
接合部分の不純物をちゃんと除去してから立ち上がり部を施工すれば
強度的なリスクも下げられるようです
(接着剤塗る前に表面をきれいに拭いてやるイメージですね)
積水ハウスの基礎は?
ここでようやく積水ハウスの基礎の話になります(ここからすぐ終わります)
冒頭のほうで既に書いている通り
積水ハウスでは鉄骨でも木造でも「布基礎」を採用しています
以下の図は木造のシャーウッドの事例
※積水ハウスHPより(基礎と接合部で支える耐震性 | 商品情報 | 戸建住宅 | 積水ハウス (sekisuihouse.co.jp))
各部の寸法が記載されていますが
建築基準値(建築するうえで満たすべき基準値)が決められていて
上記の値はそれを余裕で超えるレベルになっているようです
またフーチングの形が半円状なのも特徴的で
おそらく基礎の一体打ちにしたときにコンクリートが隙間なく流し込みやすいように考えられているのかなと思いました(想像です)
積水ハウスの基礎は一体打ちです
布基礎のほうが底部にコンクリートを流し込むのが部分的なので一体打ちの難易度は低そうな気がします
(ベタ基礎のほうが大変そう)
積水ハウスの場合シンプルにごつい基礎で支えているという印象を持ちました
同じく鉄骨も木造も取り扱っているダイワハウスなんかだと
鉄骨と木造で基礎も使い分けているようですが
積水ハウスでは鉄骨も木造も統一できる仕様は統一してしまおうという考えがあるようですね
こちら施工中の写真ですが金属製のフレームが敷かれていて
鉄筋の最終チェックをした後にここにコンクリートを流し込んでいきます
型枠の無い部分は土と言うか砂利のままの状態ですね
うっすらと鉄筋の影も見えます
あと地中にフーチングの型枠の蛇腹の物体もチラッと見えていますね
一気に飛びますが基礎の施工完了後はこちらです
(1週間も経つと一気に工事が進んでるんだよなぁ)
砂利がむき出しだった部分もコンクリートで覆われていて
これだけ見てもベタ基礎との違いが分からないですね
あと普通のコンクリートブロックが積まれている部分もあって
「こんなのあったけ!?」と思いましたが
単に土間として使用する部分にコンクリートを流し込むための防波堤の役割を果たすもので
これで家の重量を支えている訳ではないです
デザイン基礎とエンブレム
積水ハウスの基礎はデザインにもこだわっている面があります
基礎と言うと大体コンクリートがむき出しなイメージですが
積水ハウスでは以下のような石彫のデザインの基礎になっています
オシャレは足元からならぬ
オシャレは基礎からですね
また写真にあるように
ある意味で積水ハウスで建てた証とも言える
「SHAWOOD」の文字が入ったエンブレムを基礎部分に付けることができます
(「SEKISUI HOUSE」という文字のエンブレムを選ぶこともできます)
ジルわこ邸はH設計士の勧めで基礎まで吹き付けるようにしたので
デザイン基礎にはなっていません
エンブレムも吹き付けだと浮きそうだったので付けないことにしました
付けなくとも値段は変わらないので
別に貰って作っていただいた模型と一緒にどこかに飾っておこうかと思います
吹き付けた基礎はこんな感じです
おわりに
基礎の特徴比較と積水ハウスの基礎について書いてみました
途中脱線して迷子になりかけましたが
勝手に納得して戻ってこれました笑
あまり施主側でどうこうする内容ではないですが
知識として持っていても損はないかと思います
あと基礎もデザイン的にこだわってみると
ちょっと違った外観になってオリジナル感が出せますね!