断熱等級5・6・7新設!積水ハウスシャーウッドの断熱性能レベルは?
こんにちは!
ジルわこ(@gillwacohouse)です
2022年10月、住宅の断熱性能に新基準が追設され話題になっていますね
本ブログも「断熱性能」をキーワードに訪問される方が増えており、性能への興味・関心が高まっていることが伺えます
住宅の断熱性能基準は、2022年3月までは「4」が最高等級でしたが
2022年4月に、その上の等級である「断熱等級5」が追加され
2022年10月には、さらに上の「断熱等級6・7」が新設されました
「積水ハウスの断熱性能はどのレベルに位置するのか?」
「シャーウッド」の断熱性能と仕様について、我が家を例に紹介したいと思います
断熱性能に関しては特に要望は出さず、受けた提案のままで建てているので、ある意味で積水ハウスの標準的な断熱性能の家と言えると思います
また積水ハウスの「寒冷地仕様」についても、ブログ読者の方から情報を頂いたので紹介しています
断熱性能水準と地域区分
まずは前提となる断熱性能の評価基準について整理しておきます
基本的な内容なので既によく知っているという方はスキップしてください
知ってる人は飛ばしてにゃ
断熱性能水準
住宅の断熱性能を評価する指標はいくつかありますが、「住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」のなかで「断熱等級」というものが定義されています
冒頭の断熱等級追加の話も、この指標に関するものです
断熱等級は2022年3月までは最高が「4」でしたが、2022年4月に「断熱等級5」が、2022年10月に「断熱等級6・7」が新設されました
断熱等級は数字が大きいほど断熱性能が高いことを示していますが、この数字を見てもいまいちピンと来ないと思います
強そうな感じは伝わってくるにゃ
この等級の区分は「Ua値(外皮平均熱貫流率)」という値で決まってきます
もっと難しい言葉が出てきたにゃ
簡単に言うと家の内外の「熱の伝わりやすさ」を表す指標で
「Ua値が小さい=熱が伝わりにくい=断熱性能が良い」
ということになります
もう少し補足すると、壁や天井や床や窓など、場所によって異なる「U値(熱貫流率)」を持っていて、それらを家全体で平均したものが「Ua値」となります
U値は断熱材の種類や厚み、窓の種類で大きく変わるため、断熱性能を強化していく場合は、その辺りの仕様変更を主に考えることになります
余談ですが、、U値やUa値の単位は「W/m2・K」なので、「1℃の温度差がある時に、1秒間に1m^2あたりどれだけの熱量が移動するか?」を意味しています
なお断熱等級とUa値の関係を示したのが以下の表です
表の上側が従来基準、下側が新基準となります
断熱等級4が品確法における従来の最高等級と言いましたが、それより上に「ZEH基準」というのが存在しています
品確法の基準ではありませんが、このZEH基準も国が定めたものになります
更にその上に民間基準(参考)として「G1・G2・G3」というのがあります
これは温熱の専門家(大学の先生や建築会社の方など)が集まって設立した「2020年を見据えた住宅の高断熱化検討委員会(HEAT20)」という民間団体があり、その中で目指すべき基準として策定したものになります
それらを踏まえて新基準を見ると「断熱等級5・6・7」というのがありますが、ZEH基準やHEAT20の基準をベースに、国の基準として新たに設定されたということになります
数字を見比べると断熱等級5がZEH基準に対応していて、断熱等級6・7がそれぞれHEAT20 G2・G3に概ね対応しているようです(地域区分5の扱いだけ少し違うようです)
ちょっと見難いですけど、Ua値と断熱等級、地域区分の関係をグラフにしてみるとこんな感じです
地域区分については後で説明していますが、数字が小さいほど寒冷地寄りで、大きいほど温暖な地域を表しています
断熱等級は快適に過ごすために必要な性能という観点で定められていますが、寒冷地のほうが環境的に厳しいため、同じ等級でもUa値としては低くなっています
寒冷地(1、2地域)の場合、従来の最高等級である等級4の時点でUa値は「0.46」です
これは東北以南の平野部あたり(5、6、7地域)の基準だと等級6と同じなので、寒冷地で求められる断熱性能の高さが伺えます
逆に温暖地域ほど等級が上がった場合のUa値の変化が大きいですね
例えば等級4から等級5に上げた場合のUa値の変化を比べると…
寒冷地(1・2地域)では「0.46⇒0.40」で約13%減少に対し
温暖地(5・6・7地域)では「0.87⇒0.60」で約31%減少しています
新基準の最高等級である等級7までいくと、もう地域による差はほぼないレベルにまでなっています
また、長期優良住宅の認定基準の一つにこの断熱等級があり、これまでは等級4が条件となっていましたが、これも等級5に見直しされるみたいですね(2023年4月以降の申請から適用予定)
地域区分
日本は南北に長く地域による気候差が結構あるので、その気候に合わせて8つの地域に分けられています
その地域区分ごとに断熱等級の基準となるUa値が変わります
この地域区分は省エネ基準で決められているようなので、気候が異なれば同じ省エネ性を達成するために必要な断熱仕様も変わってくるということですね
地域区分を地図に示すと以下のようになっています
基本的には北の方の寒冷地ほど数字が小さく、南の温暖な地域ほど数字が大きくなっています
同じ県内でも山間部は数字が小さく寒冷地寄りだったりします
個人的に意外だったのは、日本海側でも沿岸部は太平洋側沿岸部と同じような地域区分のエリアがあることですね
兵庫の瀬戸内海沿いと鳥取や島根の日本海沿いに同じ地域区分があります
住んだことはないのですがイメージですが、日本海側のほうが冬が厳しいと思うので意外でした
シャーウッドの断熱性能
冒頭で述べたように断熱性能に関する要望は特に出さず、受けた提案のまま建てているので、我が家はある意味で積水ハウスの標準的な断熱性能の家かなと思っています
積水ハウスでは長期優良住宅の認定を取るのが標準になっているので、最低でも断熱等級4はあるから、とりあえずそのまま行ってみようくらいの気持ちでした
そんな我が家を例にシャーウッドの断熱性能について紹介しますが、前提はおおよそ以下の通りです
- 地域:兵庫県(6地域)
- 構造:シャーウッド(木造)
- 階数:2階建て(総2階)
- 延床面積:30坪
我が家のUa値と断熱等級
契約時の書類に断熱仕様に関する項目があるのですが、以下のような記載がありました
「4地域 グリーンファーストゼロ仕様」
4地域と言うと東北地方の沿岸部や中部地方の山間部あたりが多いです
東北には20年以上住んでいたのでおおよその気候の感じは分かりますが、今住んでいる兵庫県と比べると寒い地域です
(私が学生時代に住んでいたアパートは室内が氷点下になることもありました^o^)
また「グローンファーストゼロ」とは積水ハウス独自の基準ですが、いわゆるZEH基準を満足する基準の家を建てようという取り組みになります
4地域でZEH基準となると、断熱等級の基準的には「Ua値0.60以下」になる見込みで、初めに予想していた断熱等級4レベル(Ua値0.87以下)よりは良さそうです
(ZEH基準となると6地域でも4地域と一緒で「Ua値0.60以下」)
長期優良住宅の申請をするにあたって、断熱性能の詳細な計算を実施していますが、最終的なUa値は「0.55」となっていました
細かな値は家の間取りや仕様によって変わりますが、予想の「Ua値0.60以下」は満足する結果になります
6地域で見るとZEH基準を満足していて、HEAT20基準のG1相当の性能レベルとなります
新設された断熱等級だと等級5に該当するレベルです
積水ハウスの標準断熱性能
積水ハウスの取り組みからも、ZEH基準を満足する断熱性能が標準的な仕様と考えられます
ホームページ上でも”品確法の等級5に標準対応”との記載がありました
(長期優良住宅の認定基準も等級5に上がるので、基本的にこれを下回ることはまずないでしょう)
一方で、主な競合先が等級6を推してくるようであれば、おそらくそれに合わせていくんじゃないかなと思います
後述しますが「寒冷地(1・2地域)のグリーンファーストゼロ仕様」であれば、Ua値は「0.40」程度となり、5・6・7地域なら等級6は満足できる性能レベルになります
シャーウッドの断熱仕様
シャーウッド断熱仕様として「4地域 グリーンファーストゼロ仕様」の内容を紹介します
エリアによっても若干異なると思いますのでご参考までにどうぞ
断熱材仕様
壁、屋根、床など場所によって断熱材の種類や厚みが異なります
我が家の場合以下のような仕様でした
(4地域 グリーンファーストゼロ仕様)
施工場所 | 断熱材種類 | 断熱材厚さ [mm] |
---|---|---|
天井 | 高性能グラスウール16K | 100+100 |
外壁 | 住宅用ロックウール | 100 |
外壁(真壁) | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 65 |
床 | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 80 |
外気に接する床 | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 65+65 |
土間(土間下) | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 30 |
土間(立上) | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 15 |
土間低床(土間上) | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 30 |
土間低床(立上) | 高性能フェノール | 45 |
天井のグラスウールは写真の上の方にある薄い黄色のやつです
ガラス繊維を綿状にしたもので、繊維の隙間に空気の層ができて断熱材として機能しています
ダウンジャケットの中身みたいなイメージですね
壁のロックウールは袋状のものに入った状態で施工されています
ロックウールはグラスウールと同じような見た目で綿状の断熱材になりますが、こちらは鉱物を繊維状にしている点が異なります
鉱物由来ということで、耐火性や耐水性はロックウールのほうが有利なようです(その分コストも高めです)
床のポリスチレンフォームは写真の白い部分です
発泡スチロールの仲間ですが、住宅用の断熱材として主に使用されるのは「押出法」で形成されたものでちょっと違います
発泡スチロールのようなつぶつぶ感はなく、もう少しきめ細かい感じです
「スタイロフォーム」という商品が有名なので、こちらの名前で呼ばれることも多いと思います
あらかじめ木枠とセットのパネルみたいになっていて、それを床にどんどん並べていく感じで施工していました
うちは土間エリアが広く、仕様が細かく分かれていてややこしいんですが、立ち上がり部分なんかはこの写真みたいな感じ施工されていました
窓仕様
窓は断熱材が敷き詰められる他の部位と違って、どうしても熱の出入りがしやすい箇所になります
積水ハウス標準の窓仕様についてまとめておきます
窓は窓ガラスとサッシ(フレーム部分)で構成されますが、積水ハウス標準のサッシは以下の4種類から選べます
- AJサッシ(アルミ樹脂複合サッシ)
- SAJサッシ(高断熱アルミ樹脂複合サッシ)
- KJサッシ(高性能樹脂サッシ)
- insサッシ(エアタイト断熱アルミサッシ)
それぞれの構造と概要を以下にまとめます
AJサッシ
積水ハウスの標準的なアルミ樹脂複合サッシです
対象地域が「3~7地域」となっており、基本的に寒冷地(1・2地域)では使用しないこととなっているようです
おそらく「Aluminum Jushi」の略称です
SAJサッシ
AJサッシよりも室内側樹脂の被膜を増やし、窓枠のアルミ部分にも樹脂を挟み込んで、断熱性・気密性を向上させたタイプです
ですがこちらもAJサッシと同様、対象地域が「3~7地域」となっており、基本的に寒冷地(1・2地域)では使用しないようです
「Super Aluminum Jushi」の略称ではないかと思います
KJサッシ
サッシ全体に断熱性の高い樹脂を使用したものになります
こちらは対象地域が「1~7地域」となっており、寒冷地(1・2地域)仕様では樹脂サッシが標準となってくるようです
きっと「Kouseinou Jushi」の略称でしょう
insサッシ
こちらはアルミサッシの商品になります
対象地域が「4~7地域」と少し限定的になっており、積水ハウスでも少なくともZEH基準以上を目標としている風潮があるため、現在はあまり標準的に使われることはなさそうです
これだけは何の略称なのか想像できませんでした…
窓ガラスの仕様
窓ガラスはペアガラスが標準となっていますが、サッシの種類に応じて以下のオプションを選択できます
ペアガラス (標準) | トリプルガラス | 真空ペアガラス | |
---|---|---|---|
AJサッシ | ○ | ー | ー |
SAJサッシ | ○ | ○ | ○ |
KJサッシ | ○ | ○ | ー |
insサッシ | ○ | ー | ー |
また複層ガラスの場合、ガラスの間に空気より断熱性の高いガスを入れて使用することが多いですが、積水ハウスの標準窓では「アルゴンガス」を使用しています
(メーカーによっては、更に断熱性の高い「クリプトンガス」を使用している場合もあります)
我が家の場合は基本的にSAJサッシのペアガラスで、SAJサッシで対応する窓枠形状がない箇所のみAJサッシを採用しています
AJサッシ/SAJサッシの熱貫流率(U値)
窓の性能を比較する際はU値を見ることが多いと思いますが、積水ハウスオリジナル仕様の窓は調べてもあまり情報が出てきませんでした
しかし、今回実施頂いた断熱性能の計算書の中で、実際に我が家で採用しているAJサッシやSAJサッシのU値についての記載がありましたので、一例を紹介したいと思います
窓のU値はサッシと窓ガラスの組み合わせで決まるため、例えば同じAJサッシであっても、サッシの形状・サイズ、窓ガラスの種類・枚数・サイズなどでも変わってきますので、参考値と思って見てください
サッシ名 | 窓ガラス仕様 | 窓サイズ [mm] | U値 [W/m2・K] |
---|---|---|---|
AJサッシ | ・Low-E複層 ・遮熱断熱ペアガラス ・日射遮蔽型 ・アルゴンガス封入 | 792×792 | 2.27 |
SAJサッシ | ・Low-E複層 ・遮熱断熱ペアガラス ・日射遮蔽型 ・アルゴンガス封入 | 2800×2200 | 1.66 |
KJサッシ | ・ダブルLow-E三層複層 ・遮熱断熱トリプルガラス ・日射遮蔽型 ・アルゴンガス封入 | 2800×2200 | 1.50 |
insサッシ | ・ダブルLow-E三層複層 ・真空遮熱断熱トリプルガラス ・日射遮蔽型 | 2800×2200 | 1.27 |
【追記】寒冷地仕様(1地域仕様)について
この記事の読者の方より、積水ハウスの寒冷地仕様に関する情報を頂きました
本記事への掲載の了承を頂きましたので、紹介させていただきます
- 地域:大阪府(6地域)
- 構造:イズロイエ(鉄骨造)
- 断熱仕様:1地域 グリーンファーストゼロ仕様
お隣の大阪府で、我が家と同じ6地域のエリアです
構造は鉄骨造となっていて、木造の我が家とは異なります
断熱仕様は積水ハウスの標準断熱仕様の中で最もグレードが高いであろう「1地域 グリーンファーストゼロ仕様」となっています
主要な断熱材の仕様は以下の通りです
(1地域 グリーンファーストゼロ仕様)
施工場所 | 断熱材種類 | 断熱材厚さ [mm] |
---|---|---|
天井 | 高性能グラスウール16K | 140+100 |
外壁 | 高性能グラスウール16K | 140 |
床 | 押出法ポリスチレンフォーム3種 | 57+80 |
4地域仕様と比べると、天井や外壁は40mm、床は57mm、断熱材の厚みが増しています
また窓にはKJサッシ(高性能樹脂サッシ)のトリプルガラスを採用しています
なお、KJサッシ(トリプルガラス)のU値は0.9とのことです
細かい部分は割愛しますが、この仕様でのUa値は「0.38」だったようで、6地域なら等級6は楽々クリアできるレベルとなっています
シャーウッドの熱損失割合
住宅の断熱性能を評価する際には、どの部分からどれだけの熱の損失があるか、細かく計算しています
引き渡しの際にその計算内容を貰っていますので、その結果をもとに家のどの部分からどれだけの損失があるのか?を調べてみました
ただの興味本位にゃ
家の部位ごとに熱損失、外皮面積、部分ごとのUa値をまとめたものがこちらの表です
施工場所 | 熱損失 [W/K] | 外皮面積 [m2] | 局所Ua値 [W/m2・K] |
---|---|---|---|
外壁 | 75.86 | 167.07 | 0.45 |
天井 | 12.70 | 58.03 | 0.22 |
窓 | 45.65 | 23.58 | 1.94 |
玄関 | 5.87 | 2.28 | 2.57 |
床 | 10.93 | 39.15 | 0.28 |
土間 | 15.42 | 12.85 | 1.20 |
基礎 | 0.41 | 0.40 | 1.03 |
合計 | 166.84 | 303.36 | 0.55 |
少し分かりやすくするためにグラフにしてみます
こうして見ると、全体の約7割の熱損失が、外壁(壁)と窓で発生していることが分かります
壁は単純に面積が大きいことが影響していますが、窓はUa値の高さが主な要因です
我が家の場合だと、土間の面積が通常の家より(おそらく)かなり広いため、土間からの熱損失も比較的大きめですね
ここから断熱性能を上げる場合について、以下の2パターンほど考えてみます
①熱損失、外皮面積が大きい所を変更する
壁部分からの熱損失が全体の46%を占めていて、また外皮面積も壁が全体の55%と大きいです
壁の断熱材の厚みを100mm⇒150mmにアップさせ、壁部分の断熱性能が1.5倍になったとします
この時のUa値は0.55⇒0.46となり、断熱等級6を達成できるレベルとなります
断熱材の厚みを増やすと、壁の厚みも増えることになるので、若干ですが間取りにも影響してきます
そのため、断熱性能にもこだわりたいという場合は、あらかじめそのことを伝えておいた方が良いと思います
②断熱性能が低い所を変更する
Uaは家全体の平均的な断熱性能を示す値ですが、各部位のUa値のグラフから分かる通り、家の中でも断熱性能が良い所、悪い所があります
部位による断熱性能の差が大きいと、家の中でも寒暖差が生じやすくなり、不快に感じる要因になる可能性もあります
そこで断熱性能の低い所から変更していき、部位による差を極力減らす方が、断熱性能アップの効果は実感しやすいかもしれませんね
我が家の場合だと玄関ドアや窓が特にUa値が高く、断熱性能が低めです
中でも窓は、熱損失の量が壁部分の次に大きく、家全体の約30%を占めています
我が家の窓を全て樹脂トリプルガラスに変えたとしてUa値を計算してみます
YKK APの樹脂トリプルガラスの「APW430」のU値が0.90となっているので、これを採用したとすると、Ua値は0.55から0.47まで下がる計算となります
我が家の場合だと土間が広いことも影響していると思いますが、普通の間取りのシャーウッドなら、この時点でUa値は0.46以下となり、断熱等級6は達成となるでしょう
【追記】寒冷地仕様を適用した場合
情報頂いた寒冷地仕様を適用した場合のUa値を試算してみます変更するのは主要断熱材の厚みと窓の仕様です
変更箇所 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
天井断熱材 | 200mm | 240mm |
外壁断熱材 | 100mm | 140mm |
床断熱材 | 80mm | 137mm |
窓仕様 | SAJサッシ(ペア) | KJサッシ(トリプル) |
この仕様変更によりUa値は、0.55⇒0.38となり、等級6は楽々クリアできるレベルとなりました
快適性を求めるうえでの注意点
ここまで数字の話しかしていないのになんですが、断熱性能(Ua値)はあくまで家の外周側の平均的な断熱性能を表す指標であり、「断熱性能さえ良ければ快適」とはならない可能性もあることに気を付けるべきと思っています
断熱性能が低くても良いという訳ではなく、もちろん数値が良いに越したことはないのですが、性能を上げようとすれば当然コストも増えてきます…
「快適な暮らしがしたい」と思って性能という観点にたどり着いた時点で、家づくりに対する意識はかなり高いと言えるので、性能の数値だけに注目するのではなく、「快適性を高めるために何をすべきか?」を広い視点で考えていただければと思います
なんだか偉そうにゃ
私自身がそこに焦点を当てていた訳でなく、性能に関するリサーチはまともにしていないので偉そうなことは言えないですが、、一つ例を挙げると日射のコントロールも快適性に大きく影響する部分だと思います
断熱性能が高くとも窓からの直射日光は防ぎきれないため、日差しがガンガン入ってくるような状況では家の中がどんどん温められることになります(ビニールハウスとか冬場でも暖かいですよね)
夏場は直射日光を防ぎたいけど、冬場は逆に積極的に取り入れたほうが良い場合もあるので、日射の入り方を上手にコントロールできると、より快適な暮らしに繋がると思います
この辺をしっかりコントロールするには、間取りと窓の配置、軒の出、周辺の建物配置等々トータルで考える必要があると思います
正直素人に読み切れるものでもないと思うので、プロに頼りたいところです
一方で施主側としても、「こういう視点がある」ということは分かっていないと、提案の良し悪しの判断も付かないので、ここまで考えないとと思っているのであれば、ある程度勉強はした上で、相談していくのが良いのかなと思います
おわりに
シャーウッドで建てた我が家を例に積水ハウスの断熱性能についてまとめてみました
結局どの程度の断熱性能にしておけばいいの?という疑問が誰しもあると思います
先に書いたように快適性は断熱性能だけで決まるものではないと思いますし、「快適」の感じ方も人それぞれ、地域にもよるので難しいんですよね…
宿泊体験みたいな実際に体感できるイベントがあると、具体的にイメージできて良さそうですね(シーズンごとに泊まりにいかないと笑)
私の経験で言うと、兵庫県(6地域)の比較的温暖なところで等級5レベルの家に住んでひと夏超えたところですが、7~8月の期間をエアコン付けて十分快適に過ごせていたので、等級5程度でも問題ないと感じています