
カネカの太陽光パネルは1年間でどれだけ劣化したか?

こんにちは、ジルわこです
太陽光発電が稼働開始して2年以上が経過しました
わが家ではカネカ製の太陽光パネルを採用していますが、最初の2年間はシミュレーション予想を30%近く上回る、なかなか良い結果でした
(太陽光発電の実績はこちらを参照ください)


しかし、太陽光パネルも経年劣化で性能は年々落ちていくものなので、この高パフォーマンスを今後どれだけ維持できるかは気になるポイントです
そこで、2023年から2024年にかけての1年間で、カネカの太陽光パネルの発電能力がどれだけ劣化したかを評価してみました
太陽光パネル劣化量の評価方法
理想的には全く同じ発電環境での発電量を比較できれば分かりやすいと思います
しかしながら、太陽光発電には日照時間や日射量、太陽の高度、気温など、様々な要因が影響するため、条件を合わせて比較するのは相当難しいと思います
特別な機器なども持っていないので、基本的に発電実績のデータから評価するしかありません
そこで今回、太陽光パネルの劣化量を評価するにあたって、
「発電実績から月ごとの発電能力を予測する」という方法を取ることにしました
太陽光発電には様々な要因が影響すると書きましたが、やはり日照時間の影響が強いです
以下のグラフは2024年5月の一日ごとの日照時間と発電量の関係を示したものです
一口に日照時間と言っても、朝夕と昼、快晴と曇り気味では発電量への影響は違うため、どうしてもばらつきはありますが、日照時間と発電量は概ね比例関係にあります
このデータを線形で近似し、近似直線の日照時間12時間での発電量=発電能力」と定義しました
12時間としたのは、1月から12月の月ごとの最大日照時間の平均値がそのくらいになるためです

2023年と2024年の発電能力比較
前述の方法で求めた発電能力(12時間当たりの発電量)を、2023年と2024年で比較しました
両者の発電能力の差が、1年間での太陽光パネルの劣化量となるわけです
比較結果がこちら

青線のパーセンテージが、2023年を基準としたときの2024年の発電能力の比率となりますが、マイナスになっている(劣化していることを示す)月もあれば、逆にプラスになっている月もあり、月ごとの評価では最大±10%程度の誤差があると考えられます
もっと長い期間で評価すれば傾向が見えてくるかと思いますが、太陽光パネルの年間劣化量は1%前後とも言われるので、1年分のデータだけで評価するにはちょっと誤差が大きすぎますね…
年間平均で見れば、2023年と2024年の比率は99.5%=劣化度0.5%となり、概ね妥当そうな数値に見えます
よりシンプルに、年間の発電量を日照時間で割った、1時間当たりの平均発電量を比較してみます
この指標で見た場合の劣化度は0.23%となり、先の0.5%という数字もそこまでおかしな値ではなさそうです。
2023年 | 2024年 | |
---|---|---|
年間発電量(kWh) | 8,094 | 7,843 |
年間日照時間(hr) | 2,222 | 2,158 |
発電量÷日照時間(kWh/hr) | 3.642 | 3.634 |
劣化度(2023年基準) | ー | 0.23% |
いずれにしても、1年間で急激に劣化することはない、とは言えそうです
評価方法の改良
今回評価に用いた日照時間は、気象庁の過去の天気データより日ごとのデータを参照しています
このデータではどの時間帯に太陽が出ていたかの情報がないため、誤差要因となっていると考えられます
一方、気象庁のデータには1時間ごと日照時間および天候に関するデータもありました
このあたりのデータを太陽の高度と関連付けて重み付けした日照時間、補正日照時間で整理すれば、より正確な評価ができると考えられます
時間と熱意があれば、評価の改良にトライしてみたいと思います
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